遺品整理の時には遺品買取をしたほうがいいのか？

近年は遺品整理と合わせて、まだ使える遺品を買い取ってくれる業者が増えてきました。

処分の手間を省けて、臨時収入も得られて一石二鳥ですが、遺品買取にはいくつかの条件やコツがあります。

いざというときに困らないよう、遺品買取の基本的な知識や高額買取してもらうためのポイントをチェックしておきましょう。

今回は遺品整理で買取してもらえる物や、買取の条件、高額買取のコツなどをまとめてご紹介します。

遺品整理の必要性と課題

遺品整理とは、亡くなった方が残したものを整理し、部屋を片付ける作業のことです。

ここでいう「整理」とは、必要なものと不要なものを仕分けし、必要なものは形見分けをし、不要なものは何らかの方法で処分します。

遺品整理を自分で行うのは手間と時間がかかる

不要なものはゴミとして処分するのが一般的ですが、大量の不用品を廃棄するには手間と時間がかかります。

故人宅まで遠い、多忙で作業できない場合は、遺品整理の目処が立たないでしょう。

処分する際、自治体によって、大量の不用品を1度に処分する場合は別途費用がかかるため、遺品整理によって多額の出費を強いられることがあります。

遺品買取すれば遺品整理にかかるコストを節約できる

遺品はただ処分するだけだとコストがかかりますが、業者に不用品を買い取ってもらえれば、出費を抑えられます。

査定額によっては、ある程度まとまったお金が手に入るので、遺品整理業者への支払いに充てることも可能です。

また、遺品をゴミとして廃棄するよりも、必要としてくれる人に使ってもらった方が精神的な負担も軽減できます。

遺品整理で大量の不要品が出そうな場合は、プロの業者に買い取ってもらうことを検討してみるとよいでしょう。

遺品の買取は遺品整理業者に依頼するのがおすすめ

遺品整理で出た不要品を買い取ってもらう方法は大きく分けて、

• 自分でリサイクルショップに持ち込む
• フリマアプリなどで売却する
• 遺品整理業者に依頼する

などがあります。

リサイクルショップで買い取ってもらう場合は、リサイクルショップまで遺品を持っていく必要があります。

フリマアプリで買い取ってもらう場合は、自分で売値を設定できるところが特徴です。

しかし、売れるまでに日数がかかることがありますし、ひとつひとつの遺品を売り出すにはかなりの時間と手間がかかります。

スムーズに遺品整理したいのなら、不要品の買取にも対応している遺品整理業者に依頼するのがベストです。

遺品整理で買い取ってもらえるもの

遺品整理業者に不要品を買い取ってもらうには、いくつかの条件があります。

いざというときに困らないよう、遺品整理の買取で知っておきたいポイントをあらかじめチェックしておきましょう。

遺品整理で買取をしてもらえるもののうち、代表的な例を5つご紹介します。

1.ブランド品

ブランドもののバッグや服、小物などは人気があり、中古品の需要も高いので、高値で買い取ってもらえる可能性があります。

とくに衣服に関しては、8割の人が廃棄処分を選択していますが、プレミアがついているものは高額査定になることもあります。［注1］

遺品のなかにブランド品を見つけたら、遺品整理業者に査定を依頼してみるとよいでしょう。

［注1］弔いスタイル「遺品整理で大変だったことや遺品の衣類の処分方法に関するアンケート結果」

2.貴金属やアクセサリー類

貴金属やアクセサリーに用いられる金・銀・プラチナなどの素材は、普遍的な価値があるため、高値で買い取ってもらえることがあります。

ダイヤやルビーなどのジュエリーがついている場合は、より高額で取引してもらえる可能性があります。

ネックレスや指輪などは、廃棄せず査定に出しましょう。

アクセサリー以外にも、ハイブランドの時計などは付加価値が高く、年代物の商品でも高額買取を期待できます。

3.美術品や骨董品

故人に美術品や骨董品を収集する趣味があった場合、遺品のなかに思わぬ逸品が紛れ込んでいるかもしれません。

美術品や骨董品は、専門の知識を持った人でないと正確な価値を見極めることはできませんので、査定実績が豊富な業者に任せると安心です。

4.スポーツ用品

ゴルフ用品やスキー、スノボ用品などのスポーツ用品は、状態が良ければ業者に買い取ってもらえます。

バッグや衣服同様、スポーツ用品も人気のあるブランドものの方が高額査定がつきやすいでしょう。

5.お酒

一般的な市販のお酒ではなく、年代物のワインや日本酒、ブランデーなど、希少価値のあるものは高値で買い取ってくれる場合があります。

レア度の高いものなら数十万円の査定がつくこともあるので、廃棄せずに取っておきましょう。

買取時に注意が必要な遺品

遺品のなかには、状態によって買取してもらえない物もあります。

ここでは買取時に注意が必要な遺品をご紹介します。

1.家具類

タンスやソファ、ベッドなどの大型家具は処分に手間ひまかかるので、できれば業者に買い取ってもらいたいところです。

ただ、日常的に使用する家具は、劣化が進んでいるケースが多いです。

色あせや、目立つ傷・汚れがあるものは、たとえ使用に支障がなくても買い取ってもらえない場合がほとんどです。

逆に新品・未使用品や、人気のあるブランド品などは高値がつくことがありますので、判断に困ったら査定を依頼しましょう。

2.家電類

テレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電類は、現行の安全基準や省エネ基準に合致したものかどうかが買取のポイントです。

たとえ使用回数が少ないものでも、年式が古い物は買取の対象にならない可能性大です。

一方、使用回数が多くても、最新式の家電は人気があるため、高値がつく場合があります。

家電は発売されてから5年間が買取可否のボーダーラインといわれていますので、査定に出す時は家電の製造年月日をチェックしてみましょう。

3.デジタル機器

パソコンやタブレット、スマホなどのデジタル機器は、今や現代人の必需品ですので、中古市場も活発です。

ただ、デジタル機器は、他の家電よりもモデルチェンジが早く、早いものは1～2年で型落ちしてしまいます。

1世代前くらいなら需要がありますが、2世代以上古い機種になると買取価格が大幅に下がってしまい、場合によっては値段がつかないこともあります。

また、暗証番号がわからないものはデータを初期化できないため、買取を断られる場合もあるようです。

4.書籍・DVD

書籍やDVDはもとの単価が安いため、状態がきれいな物でも少額買取か、あるいは買取不可になるケースがほとんどです。

しかし、絶版本や専門書など、希少価値のある古書は高値で売れる可能性があります。

DVDも、なかなか手に入らないマニアックな物は高額査定がつく場合がありますので、安易に廃棄する前に査定を依頼してみましょう。

買取してもらえない遺品

遺品のうち、買取が難しい、あるいは不可能なものをご紹介します。

1.状態が悪いもの・価値のないもの

人気のブランド品でも、目立つ汚れや傷があるものは買取を断られてしまいます。

また、状態がよいものでも、商品として利用価値がないと判断されると値段がつかず、買取不可になります。

2.証券・株券

故人が残した証券や株券の現金化には相続手続きが必要になるため、遺品整理で買い取ってもらうことはできません。

3.仏壇・仏具

仏壇や仏具のなかには、黒檀や紫檀、金、銅など貴重な材料が使われており、中には美術品や骨董品と同等の扱いをされるものもあります。

ただ、仏壇には魂が宿るとされているため、中古仏壇の需要は決して高いとはいえません。

お坊さんに「魂抜き」をしてもらうという方法もありますが、仏壇の中古市場の規模を考えると、買取してもらうのは難しいでしょう。

遺品を高値で買い取ってもらう4つのコツ

遺品整理で出た不要品をより高値で買い取ってもらうために、押さえておきたいコツを4つご紹介します。

1.買取のプロがいる業者を選ぶ

遺品の査定内容は業者によってまちまちで、同じものを査定に出しても、買取額が大幅に異なる場合があります。

せっかく価値のある物を査定に出しても、業者に「価値なし」と判断されてしまった場合、二束三文で買い叩かれるか、買取を断られてしまうことがあります。

適正な価格で遺品を買い取ってもらうためには、査定のプロがいる業者を選ぶようにしましょう。

2.付属品とセットで査定に出す

どんな遺品でも、購入時に近い状態であるほど査定額が高くなります。

たとえばジュエリーなら、箱やギャランティカードなどの付属品とセットで査定に出すと、単品よりも高値で売れやすいです。

また、スポーツ用品などはゴルフクラブ＋ゴルフバッグ、ゴルフケースなど、必要な用具を一式そろえて売りに出したほうが高額査定を期待できます。

3.できるだけきれいな状態に整える

遺品のなかには、長年しまいこんでいた間にゴミやほこりをかぶり、汚れているものもあります。

どうせ売るものだからと雑に扱わず、ある程度の汚れやほこりを拭き取っておけば、査定時の印象が良くなります。

とくにお酒などは、ゴミやほこりまみれの状態になっていると、衛生面に不安があるとみなされ、査定額が下がってしまう可能性があるので要注意です。

4.デジタル機器は初期化しておく

パソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル機器には個人情報やデータなどが含まれているため、再販する前に初期化する必要があります。

遺品整理業者が初期化してくれる場合もありますが、手間と時間がかかるぶん、査定額に響く可能性があります。

データが入ったままのデジタル機器を売却するのは、査定額の問題だけでなく、セキュリティ面でも不安がありますので、パソコンやスマホ、タブレットを査定に出す時はあらかじめ端末を初期化しておきましょう。

遺品整理の買取サービスを積極的に活用しよう

遺品整理をしていると、まだ使えるものや価値のあるものが出てくることがあります。

ものによっては高値がつくものもありますので、まとめて廃棄する前に、遺品整理の買取サービスを利用してみましょう。

遺品に査定額がつけば、遺品整理にかかった費用を節約できるうえ、不要品も処分できて一石二鳥です。

査定に出す際は、遺品をきれいな状態に整えたり、付属品とまとめたりすると、より高い査定を期待できます。