遺品整理サービスウィルケア
代表取締役 白石 佳史
最新の遺品整理コラムColumn
特殊清掃や遺品整理を担わせていただいている私たちは、孤独死の現場となったお部屋をこれまで幾度と無く見てきました。その度にやるせない気持ちになります。もちろん孤独死を迎えたご本人、最後を看取れなかったご遺族の方の悲しみ苦しみはその比ではありません。
今回は孤独死の言葉の定義や意味、孤独死しやすい人の特徴、急増している社会背景や対処について書かせていただきました。
現在のところ、”孤独死”の明確な定義はありませんが、一般的には「自室内で、誰にも看取られず孤独のまま死亡すること」と解釈されています。多くの場合、第三者や身内の方に発見されるまで、しばらく期間が経過しているケースが多いです。孤独死の法的な定義が存在しないため、警察の死因統計上では”変死”という扱いになるほか、行政においては”孤立死”という言葉で表現されることが多いようです。
孤独死する方の多くは一人暮らしのお年寄りです。高齢者の孤独死の件数が増えている背景には「高齢化社会」と「核家族化」、「社会からの孤立」といった社会問題があります。現在日本では、年間の死亡者数約125万人のうち約3万人がこの孤独死の状態で発見されていますが、今後この比率はさらに増加していくことが予想されています。
孤独死は、身寄りがなく、地域や社会とのつながりを持たない独居老人に起こること、というイメージをよく持たれます。事実、孤独死の発生件数は60代、70代がピークとなっています。
ただし、孤独死は高齢者にだけみられる訳ではありません。若い世代の孤独死や、病気や貧困を抱える親子が社会から孤立した状態で死を迎えるケースもみられます。また、50代半ば以降の男性の孤独死は、女性に比べ圧倒的に多い傾向があります。
そこから見えてくる、孤独死を迎えやすいタイプには、下記のような特徴があると言われています。
かつて企業戦士という言葉も生まれた時代に働き盛りだった中高年の男性は、料理や掃除など家事全般を苦手とする傾向が強いです。そのため、妻との離婚や別居、死別した際に、栄養状態や住居の衛生環境が悪化し、生活の質が低下しがちです。不健康で食事もろくに食べられないにも関わらず、助けを求めることができず孤独死してしまう男性は多いです。
今後、すでに還暦を迎えた団塊世代が定年退職し、熟年離婚を経験したり、年老いていくにつれ、さらに深刻な社会問題化することが懸念されます。
男性の孤独死が女性に比べて多い理由として、男性の方が女性よりもコミュニケーションが苦手な人が多いことも挙げられます。男性は、退職や失業により社会との接点が減ったうえに、地域コミュニティへの参加を拒否するケースも多く、その分地域でも孤立しやすいです。孤立してしまうと、トラブルが発生した際に、助けを求めたり、発見してもらえるチャンスが減り、そのまま亡くなる確率が高くなります。
不景気による会社の倒産や、リストラによる人生設計の思いがけない崩壊、年金受給年齢の引き上げなどは、金銭的な苦労を生み出します。経済的余裕がないために楽しみがもてない日常生活や、定年後の突然の熟年離婚で、金銭、伴侶を一気に喪失することも孤独死につながる要因のひとつと考えられています
また、男女問わず、健康状態が良くないにもかかわらず頼れる人がなく、1人家でこもってしまう人も孤立しやすい人と言えます。
孤独死が増加している大きな原因として、「近所や地域の付き合いが希薄な社会になったこと」、さらに「核家族化によって、子どもと世帯をともにしない高齢者が増えていること」が考えられます。
一人暮らしの高齢者の6割以上は、日常生活の中で近所付き合いがほとんどありません。金銭的余裕が逼迫しても、健康に不安を抱えている状態でも、困った時に頼れる人がいない高齢者は多いです。生活保護の審査基準が高いため、自治体からも思うように支援が受けられず、結果として行政からも見放された状態の中、衰弱のうえ孤独な状態で人知れず亡くなってゆこともあります。
また、結婚せずにいつまでも親と同居し、生活の多くを親に依存する、いわゆる”パラサイト・シングル”の増加と中高年化も、将来の独居老人増加の原因になりうると危惧されています。かつてパラサイト・シングルという言葉が生まれた当時の若者は現在30後半~40代を迎えています。ニートやフリーター、引きこもりであることも多い彼らが、親を亡くしたあとに社会復帰して仕事を得たり、結婚して配偶者を得たりというのは容易ではありません。
高齢者の孤立、孤独死を防ぐための政策は早急に望まれています。
しかし、孤独死の原因のひとつ経済的困窮から高齢者を救う生活保護の審査基準は、実際に生活に困窮している多くの人を救えるものとは言えない現状にあります。また、経済的支援のための財源も大きな課題です。
各自治体で、孤独死を防止する取り組みがまったく行われていないわけではありません。地域での孤立を防ぐために、町内会や自治体による地域コミュニティづくりも多くの地域で推進されています。しかし、そのような関わりを避ける人ももちろんいて、そのようなケースに対しては、次のような方法で生活状況の確認に努めているところもあります。
身内の方の訃報を「孤独死」と知らされることは、ご遺族にとっては計りしれないショックがあることでしょう。
孤独死の発見者となるのは、近隣住民、自治体や福祉の関係者、住居の大家さんや管理会社など、生活の状態によってさまざまです。発見後に警察へ通報された場合は、警察がご遺体の身元を調べわかりしだいご遺族のもとに連絡が入ります。通常、その死に事件性がないと判断されたのち、ご遺族の入室、ご遺体との対面が認められます。そこから先は、ご遺体の引き渡しをはじめ、まだショック冷めやらぬ状態のままに、ご遺族がさまざまな手続きや手配をする必要がでてきます。
ご遺体の引受人となった場合には、警察からの搬送手段や安置場所を確保する必要があるため、葬儀社を決めて手配し、搬送から葬儀までの流れを確認します。葬儀の日取りが決まった時点で、ほかの親族や関係者へ連絡することになります。
また、葬儀とは別に、孤独死の現場となった住居の処理について考慮する必要もでてきます。孤独死してから発見されるまでに日数があった場合、ご遺体は傷みが進み、室内には腐敗臭が充満していたり、傷み具合によっては、お部屋が汚れていることが多いのです。そのようなケースは、一般的なハウスクリーニングでは対処が困難なため、弊社のような特殊清掃業者の手配が必要となります。お部屋にものが多い場合には、遺品整理、不用品回収も必要となります。
前述のように、死亡から発見までに日数があり、ご遺体の傷みが進んでしまった場合には、強い腐敗臭が漂い、また、傷みによってお部屋が汚れていたり、シミがついていたり、害虫が発生しているケースもあります。そのようなお部屋をきれいにするには、特殊な薬剤や技術による清掃が必要となり、その清掃作業を「特殊清掃」と言います。現場の清掃をはじめ、消臭や害虫の駆除、除菌などの作業を行います。
本来、お住まいの片付けはご遺族が行うべきではあるのですが、お身内の方の壮絶とも言える死の現場の片付けは、とてもご遺族ができるものではありません。また、孤独死の現場は、ゴミや物が散乱し衛生的にも良くない状態であることも多いものです。悲しみの渦中にあるご遺族に代わり、のちのトラブルとならないよう、現場に適した方法で、室内をきれいな状態に回復させる特殊清掃業者に任せるのが最善の方法と言えます。
近年は、孤独死の増加、いわゆる「ゴミ屋敷」の増加などから、特殊清掃を必要とする現場が急増しています。それにより、特殊清掃に携わる業者も大変多くみられるようになりました。弊社のような遺品整理・特殊清掃の専門業者だけでなく、引越し業者やリサイクル業者など、実にさまざまなジャンルの企業が名乗りをあげています。
特殊清掃の依頼時というのは、お身内の突然の不幸や壮絶な現場にただただ愕然としている状態のご遺族です。特殊清掃業者は、このような状況におかれたご遺族の心情や故人さまの想いに十分配慮し、誠意と真心をもって作業にあたることが望まれます。
また、作業に関しては、
このような点でしっかりと意志疎通のとれる業者を選ぶことが大切です。
特殊清掃は過酷な作業となるため、決して安い料金とは言えません。しかし、中には、緊急であること、また、なんとかしなければ…という遺族感情につけ込み、法外な金額を持ちかけてくる業者がいる可能性も否定できません。
作業終了後に、事後報告で追加料金が発生したり、完全な清掃に至らなかったため、のちに大家さんや管理会社から修繕費を請求されてしまうことは、ご遺族にとって決して本意とは言えませんので、作業内容と料金は、お見積りの段階で事前に詳しく説明を受け納得できてから契約することが大切です。
NHKなどのテレビ番組や雑誌でも取り上げられる機会が増えてきた孤独死。深刻な社会問題と化しており根本解決は難しいのが現状です。
私たちはしっかりこの問題を理解し、自分自身が孤独死予備軍とならないように準備すること、孤独死が心配される人がいたら見守って手助けできないか考えること、そしてそれでも孤独死してしまった場合にはお亡くなりになられた方の寂しさや苦しさを少しでも和らげられるよう、正しい処理をしてあげること、が重要だと思います。
ウィルケアでは、亡くなったあとの遺品整理や遺品供養はもちろんですが、亡くなる前の生前整理、身辺整理、福祉整理も大切にしています。生活に支障をきたすほど家が散らかりゴミ屋敷化してしまっているご自宅でも、安心して片付けと不用品処分、お掃除まですべてお任せいただくことができます。
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